◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010.11.5 ━◆
HiBiS メールマガジン VOL.52
http://www.hia.or.jp/hibis/
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■ 連載「Androidの世紀へ」
第2回 オープン化の先にあるものは
株式会社ネットスクエア
システム開発部マネージャー 佐藤慎也氏
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「時代の申し子」といっては大仰かもしれない。でも、プログラマとしてのスキ
ルをめいっぱい使って、これほど楽しんでいる人はそんなに多くいないだろう。
株式会社ネットスクエア(広島市西区)でAndroidアプリを担当する佐藤さん。
社内外で勉強会が開かれれば、講師としてお呼びがかかる。手がけるのは
Androidだけではない、GPS携帯電話を使った「広探ゲーム」も佐藤さんの作品。
広探ゲームはたびたびマスコミに取り上げられ、そのたびに佐藤さんがスポーク
スマンを務める。公私ともに、八面六臂の活躍。モバイルの時代、Androidの時
代とぴったりシンクロした「旬の人」だ。
昨年春、日本でAndroid携帯が発売される前から、独学で開発を始めた。現在、
5本のアプリをAndroidマーケットに公開している。そのうちの1本、お絵かきア
プリの「PaintNote」は、国内外2万3000人にダウンロードされた。
「これまでは、私がつくったアプリを携帯電話に搭載してもらうこと自体、あり
えなかった。でも、アプリを作って自分で公開すれば、世界中でダウンロードし
てもらえる。世界中で使ってもらえる。携帯メーカーにお願いする必要も無い」
「これまでは…」というフレーズが、話の端々に出てくる。佐藤さんにとって
Androidは、「これまで」と「これから」を分かつ分水嶺なのだ。
「これまでは、個人ユーザー向けのソフトは事業化しにくかった。開発し、販売
しても、代金回収のリスクがあったから。でも、Androidマーケットなら、グー
グルが回収してくれる。取りっぱぐれが無い」
「法人向け事業も楽になる。これまでのASPサービスと異なり、Androidマーケッ
トなら入金管理の手間が省ける。いくらでも販路拡大できる」
「これから」のビジネスを一言で言えば、地方の中小企業が、大手メーカーや多
国籍企業と肩を並べられる、ということか。アプリのできばえ次第で世界的ヒッ
トになるかもしれない。もしかしたら企業である必要さえないのかも。「広探ゲ
ーム」はネットスクエアの製品ではなく、佐藤さんが友人知人とつくったもの
だ。クリエイターが、腕一本で自由に生きられる時代が来たのか。
疑問符が残るのは収益性。前出の「PaintNote」は、無料版以外に、機能拡張した
有料版も公開している。「有料」といっても、いたって手ごろなお値段なのだ
が、それでもダウンロード回数は、無料版の2万3000回に遠く及ばない。
しかし、佐藤さんは決して悲観していない。今後、スマートフォンが高速化・高
機能化するに従い、PCからスマートフォンへ利用の比重が移る。それと同時に、
PC用ソフトからスマートフォンアプリへ、乗り換え需要が喚起される、とみる。
「ビジネスパーソンを中心に、お金を払ってでも高機能アプリを手に入れたいと
いう傾向が強まるだろう」。Androidアプリ市場の発展を見込んで、携帯キャリア
をはじめ多数の企業が、マーケットプレイスの開設準備を進めている。
Androidが持つ、オープン化、フラット化の強大なパワー。それは業界構造を大き
く書き替えるのかもしれない。佐藤さんに迷いはない。前進あるのみ。
挑戦者に栄光あれ。
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■ 千客万来! HiBiS書房
『ザ・トヨタウェイ(上・下)』
(ジェフリー・K・ライカー著、日経BP社刊)
福井五郎さん
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ソフトウェア開発にトヨタ生産方式が適用できないものか? そんな気持ちでこ
の本を手に取りました。この本は米国人のトヨタ生産方式(TPS)研究者の書
いた本です。
JIT、改善、一個流し生産、ヘイジュンカ・・・トヨタの成功はトヨタ生産方
式の手法で語られます。それでは、その生産方式を学び(真似び)、実践すれば
トヨタのような効率的な生産性が実現できるのでしょうか。誰もが感じることで
す。
米国人である筆者は、米国企業におけるトヨタ生産方式の多くの失敗例と数少な
い成功例を実例として、トヨタ生産方式は、生産方式の手法の導入のみでは成功
することができないことを明らかにしました。
トヨタ生産方式の成功は、トヨタのカルチャー(トヨタウェイと呼ばれる14の原
則)が無ければ、最初はうまく行くように見えても時間とともに元の木阿弥とな
ります。(トヨタの幹部:ツールや手法はTPSを成功させる上で最重要な要素
ではない)
それでは、トヨタ生産方式は量産型の生産ラインでしか適用できないものでしょ
うか。本書では、R&Dの開発工程への適用や造船のような一品生産における適
用を解説しています。
我々、ソフトウェア開発を行っている企業にとっても、生産性の向上は死活問題
です。私はこの本を読んで、要件定義-基本設計-詳細設計-プログラミング-
単体試験-結合試験-総合試験-運用試験にいたる開発プロセスを、トヨタ生産
方式とトヨタウェイで劇的に改善できると見ました。
基本は、付加価値を生まない無駄な作業の除去であり、各工程に徹底的に品質を
作りこむことです。それは開発プロセスの見える化の徹底であり、生産工程の徹
底した標準化と標準を常に改善する現場の力でもあります。
皆さんが本書より、トヨタウェイについて多くのことを考えていただけるきっか
けとなれば幸いです。
最後に、トヨタのフィロソフィーの一部を記します。
「我々は自分たちの運命は自ら決めるように努力する。自立精神をもって自分た
ちの能力を信じて行動する。我々は自分たちの行動の結果と付加価値をつけるた
めの能力を維持・向上させることに対して責任を持つ」
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